【イベントレポ】世界大戦争/第三次世界大戦 四十一時間の恐怖【超大怪獣大特撮大全集】
そうだ、映画を観よう。しかも特撮映画を、だ。
という訳で、映画レビューもしていきましょう。寝屋川を拠点に、定期的に怪獣・特撮映画の上映イベント『超大怪獣大特撮大全集』を主催してくれるのが株式会社キャストさん。
上映イベントのみならず、ハイクオリティかつDEEPな仕上がりのフィギュア群『特撮大百科』には根強いファンも多いですね。こちらのレビューもいずれ。
上映館である大阪九条にあるミニシアター・シネ・ヌーヴォさんへ。バラの装飾がオシャレなミニシアターです。他にはない独自(狂気?)の上映企画も魅力。超大怪獣のイベント以外でもお伺いしたい所。
本日の上映ラインナップは『世界大戦争』と『第三次世界大戦 四十一時間の恐怖』。
ヌーヴォーさんの特集上映、『日本の戦争映画史』に合わせたラインナップ(第三次世界大戦=可能性としての戦争映画史)との事ですが、日本と世界が不穏になっている今だからこそ、合わせて鑑賞したい二作です。なかなか合わせ見る機会もありませんが、続けて鑑賞する事で感じる事もあるのではないでしょうか。
入場時に配布される超大怪獣大特撮大全集大新聞も楽しみの一つ。
【第三次世界大戦 四十一時間の恐怖(1960年/東映)】
人間に良心のある限り第三次世界大戦は起こらない
配信などもされているので視聴ハードル自体は高くないのですが、劇場で鑑賞できる機会は少ないですかね〜。
えっ、主演が梅宮辰夫さんなのね!?と、冒頭クレジットにビックリしつつ、なかなか出てこない梅宮辰夫にヤキモキ(笑)
市井の人々の日常を通してひたひた迫る終末がテンポよく描かれます。客観的というか、人間ドラマにフォーカスしてないというか。ルポルタージュを見てる感覚。そして東映のカラーなのか、登場人物の素行が程よく悪いです(笑)ヒャッハーの原点見たり。そんな中で清貧の夫婦がつむぐ美しい愛情が印象的でしたね。
ドライな作風が、かえって迫りくる戦争の不気味さを演出しているように感じました。昨今の世界情勢を体験していると、このスピード感もさもありなんといった趣。
そしてあまりにも唐突な最後の刻。作品全体を通して情緒もへったくれもないあたり、作品のリアリティなのか東映のカラーなのか。
【世界大戦争(1961年/東宝)】
この物語はすべて架空のものであるが明日起る現実かも知れない
お、『序曲』つき!
二人の若者とその家族の愛を軸に、世界情勢の推移についてもわかりやすく状況描写していく構成はさすが東宝。
序盤から中盤にかけて描かれる両陣営のニアミス2連発は決して笑うところではないんだけど少しだけ『君たちさぁ…』とはなりますね(笑)しかし、不注意や疲弊からくる小さなミスから大きな破局を迎えかねないという、これも一つの恐怖を描いています。
焼け野原から立ち上がり、温かい家族を築き上げてきた…それすらも新たな大戦によって奪われようとするフランキー堺の慟哭、これは何度この映画を観ても心をえぐります。
最期の団欒シーンの食事風景とか、歳を重ねるごとに胸にきちゃいますね…東映と異なり、登場人物達の善性が描かれているのも映画会社のカラーが出ていて面白いです。人間、こうありたいなぁと思わせる美しさが避けられない悲劇とのコントラストになっています。
そしてクライマックス。大スクリーンで堪能する大東宝の大特撮。
核爆発の描写もそうですが、夜空を静かに飛んでいく核ミサイルの不気味さにその真骨頂を感じました。
【物販コーナー】
キャストさんのイベントでは、上映後に怪獣談話室と称して上映作品にちなんだりちなまなかったり(笑)する物販コーナーが展開されます。
後日、購入品のレビューを更新予定。
終映後はそそくさと退散してもよいのですが、こののんべんだらりとした空間も憩いですよねぇ。
イベント終了後は九条の商店街の中にある『宇奈とと』さんでスタミナ補給。リーズナブルにうなぎを満喫出来ました。
次回の超大怪獣大特撮大全集は10月予定との事。今からとても楽しみですね。
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